x^2+y^2=z^2となるx,y,zの自然数解は、2つの自然数m,n(m>n)により以下の様にして表すことが出来ます。 x^2=z^2-y^2 =(z+y)(z-y) z+y=m^2,z-y=n^2 x=mn,y=m^2-n^2/2,z=m^2+n^2/2 という書き込みがありました。なぜこうなるのでしょうか?
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25876.Re: おしえてください |
名前:angel 日付:3月25日(土) 10時17分 |
それは何らかの前提が必要かと。 以下正確に考えてみます。
x,y の最大公約数を g とするとき、互いに素な自然数 p,q が存在して x=gp, y=gq そのとき、z も g の倍数となるため、ある自然数により z=gr 整理しなおして p^2+q^2=r^2 この時、p,q の片方は偶数、もう片方は奇数となり、r は奇数である。 ※両方偶数の場合は、互いに素に反する 両方奇数の場合、左辺は4で割って2あまる数、右辺は4で割って0or1あまる数なので矛盾
以下、p が偶数の場合について話を進める。( q が偶数の場合でも進め方は同じなので ) まず、q,r は互いに素である。なぜなら、q,r が 1でない最大公約数を持つ場合、p もその倍数となり、p,q が互いに素であることに反するからである。
次に、 p^2=r^2-q^2=(r+q)(r-q) ユークリッドの互除法により、r+q, r-q の最大公約数は 2r, 2q の最大公約数と同じ 2 のため、r+q, r-q それぞれが平方数の2倍になっている。 よって、あるn,m(n>m)が存在して r+q=2n^2, r-q=2m^2 これより、r=n^2+m^2, q=n^2-m^2、p=2nm ( n^2+m^2, n^2-m^2 は互いに素 )
まとめて、(x,y,z)=(2gnm, g(n^2-m^2), g(n^2+m^2)) (n>m) 「n^2+m^2, n^2-m^2 は互いに素」という条件を取り払っても解であることに変わりはないため、これが一般解。 なお、x,y を取り替えたパターンももちろんあります。
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25877.Re: おしえてください |
名前:通りすがり 日付:3月25日(土) 12時6分 |
angel さん御丁寧にありがとうございます。すごく難しいけど少しは理解できました。 問題がこんなに深いものだとは思いませんでした…数学の掲示板でみんなあっさり理解していたので…もし良かったらそっちを一度見てみてください。それで簡単ならそのやり方を教えていただければうれしいです。
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25878.Re: おしえてください |
名前:angel 日付:3月25日(土) 12時56分 |
あ、「数学の部屋掲示板」で出ていたものですか。 私の挙げた形は結構有名なので、大体の形を覚えている人は多いと思います。考え方も含めて、本質的なところは違っていないので、特にツッコミも入らないのでしょう。 正確に話をするなら、上のように詳しく詰めていく必要があります。
なお、x=mn, y=(m^2-n^2)/2, z=(m^2+n^2)/2 というのは、ある前提を付け加えれば完全になります。 例えばその前提とは、
・x^2+y^2=z^2 を満たし、3数の最大公約数が1となる (x,y,z) に対して、 ※この時、どの2数を取っても互いに素です ・x が奇数である場合に、 ※x,y が奇・偶の組み合わせになるのは前述の通り ・互いに素である奇数 m,n ( m>n )が存在して
の組み合わせとか。
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25879.Re: おしえてください |
名前:angel 日付:3月25日(土) 13時10分 |
こっちの方が簡潔に済みそうなのでやってみますか。
命題: x^2+y^2=z^2 を満たし、3数の最大公約数が1となる (x,y,z) に対して、 x が奇数である場合に、 互いに素である奇数 m,n ( m>n )が存在して、 x=mn, y=(m^2-n^2)/2, z=(m^2+n^2)/2 証明(大雑把に): x,y,z の最大公約数が1 ⇒ どの2数を取っても互いに素 x^2=(z-y)(z+y)、x が奇数、y,zが互いに素なため、z-y, z+y は、 ・互いに素 ・共に奇数 ・共に平方数 よって、互いに素である奇数 m,n ( m>n )が存在して、 z-y=n^2, z+y=m^2 これより、x=mn, y=(m^2-n^2)/2, z=(m^2+n^2)/2
…こっちの方が楽かもしれませんね。 なお、「・共に平方数」の所をさらりと流していますが、感覚的に説明すると、 α,βが互いに素かつ αβ=3^(2k) (平方数) ⇒ α,βが共に3の倍数の場合、α,βが互いに素であることに反する よって、(α,β)=(1, 3^(2k)), (3^(2k), 1) の組み合わせしかない。 いずれにしても、α,βとも平方数 という話を、各素因数に関して考えていけば良いです。 ※例:α,βが互いに素かつ αβ=3^2×5^2 ⇒ (α,β)=(1,15^2),(3^2,5^2), (5^2,3^2), (15^2, 1) いずれも平方数の組み合わせ
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25883.Re: おしえてください |
名前:通りすがり 日付:3月26日(日) 0時12分 |
何度もすみません。数学の掲示板でangel さんの投稿を拝見させていたできました。すごいの一言です<笑> この答えも印刷してじっくり考えさせていただきます。ほんとにありがとうございました。
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