・文字の入った式に馴染む。 ・項という概念を理解する。 |
文字を用いた式
xやyなどの文字を含んだ式を自由に扱うことは、後に出てくる方程式を理解するのに重要です。
2xや、3x+2yのように、文字を含んだ式を( 文字式 )という。
文字式を書くときの約束
・2×x は( 2x )のように×を省略する。つまり、3xは、3×x
または( x+x+x )を 表す。
・2×x×x×xのように同じ文字がいくつか掛けられているときは、(
2x3 )のように 累乗の形に書く。
・5÷x は( 5/x )のように分数の形で書く。
・文字と数字が掛け合わさった式は、数字を一番左に書く。つまり、3×yは、(
y3 ) とは書かず、( 3y )と書く。
・+、−はそのままである。
<問題1> 次の式を上の約束に従って書き換えよ。
(1) x×2×y=2xy (2) (-1)×5x=-5x (3) x×y×y=xy2 (4) 6×x2×y×y÷(a×b)=6x2y2/ab
(5) (a+b)÷(-5)×s÷t=-s(a+b)/5t (6) xy・2x=2x2y (・は×と同じ)
(7) x+y÷2=x+y/2 (8) a×b÷(x+y)=ab/(x+y) (9) s÷2+a×b=s/2+ab
(10) x×y×2×x×y=2x2y2
ある事象を文字式を使って表すことは、文字式を使う上で最も大切です。
<問題2> 次のことから成り立つ文字式を書きなさい。
(1) 縦の長さa、横の長さbの長方形の面積はSである。 S=ab
(2) 半径rの円の面積はSである(円周率を3.14とする)。 S=3.14r2
(3) h時間はs秒です。 s=3600h
<問題3> 次の問いに答えよ
(1) nを 0,1,2,3,・・・とするとき、偶数は2nと表される。奇数はどのように表されるか。
2n+1
(2) 元金a円を、利率r%、1年ごとの複利で預金したとき、2年後におろすときは、いくらになっているか。
a(1+0.01r)2円
(3) 1個p円のリンゴをm個、1個q円のミカンをn個買ったときの代金はいくらか。
mp+nq円
(4) nを 0,1,2,3,・・・とするとき、3で割って1余る自然数はどのようにかけるか。
3n+1
(5) 10進法で表した数の100の位、10の位、1の位の数字がそれぞれa、b、cであると
き、この数はどのようにかけるか。
100a+10b+c
単項式と多項式
次の文字式を見てみよう。
1 | 1 | 1 | 1 | |||||
(1) 2x2 (2) | --- | xy (3) 3y2+2y (4) | --- | x2− | --- | x (5) | --- | (6) 2x |
3 | 2 | 3 | 2x |
(1)と(2)は数と文字の掛け算だけでできた式です。このような文字式を(単項式)といいます。
(3)と(4)は単項式の足し算の形になっています(引き算もマイナスの足し算と考えます)。
このような文字式を(多項式)といいます。
単項式と多項式をあわせて整式といいます。
多項式で、足し算の形になっている単項式の一つ一つを(項)と言います。
(3)の項は(3y2)と(2y)であり、(4)の項は(x2/2)と(-x/3 )です。
また、単項式は項が1つの整式ということができます。
(5)は文字で割っていますから整式ではありません。
(6)は文字が指数になった文字式ですが、やはり整式ではありません。
<問題4> 次の文字式のなかで、単項式はどれか。また、多項式はどれか。
1 | 2 | |||
(1) | --- | xy (2) | ----- | (3) x+2 (4) x3+3x2+2x+3 (5) x |
2 | x+2 | |||
単項式は(1),(5) 多項式は(3),(4) |
単項式の次数と係数
単項式で、 3x2yは ( 3 )×x×x×y、xyは ( 1 )×x×y のように、( 1 )個の数字といくつかの文字の掛け算で表される。
このように考えたとき、数字の部分をこの単項式の(係数)という。
また、文字がいくつ掛けられているかという数を、この式の(次数)という。
<問題5> 次の単項式の次数と係数を答えなさい。 | |||||
(1) xy | 次数( 2 ) | 係数( 1) | (2) 5 | 次数( 0 ) | 係数( 5 ) |
(3) a3b4c5xy2 | 次数( 15 ) | 係数( 1 ) | (4) -x5 | 次数( 5 ) | 係数( -1 ) |
多項式の次数
多項式は2つ以上の(単項式)の足し算の形で表されるが、その一つ一つの単項式はそれぞれ(次数)と係数を持っている。
例えば、3x2y+2xy−5 は、項が( 3 )個の多項式であり、それらは( 3x2y )、( 2xy )、( -5 )である。
これらの係数は順に( 3 )、( 2 )、( -5 )であり、次数は順に( 3 )、( 2 )、( 0 )である。
多項式の各項の次数のうち、最も大きい次数をその多項式の次数とする。
つまり、3x2y+2xy−5 の次数は( 3 )である。
<問題6> 次の多項式の次数を答えなさい。
(1) 3x2−6y 次数は2 (2) s+st−s2t2 次数は4 (3) x2+y−xy 次数は2
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