第9回

今回の目標
・累乗の意味を理解すること。
・累乗を用いた素因数分解ができること。
・割合と比例式を理解すること。
ここでは、便宜上、分数を b/a の形で書いてある所があります。
b/a は a分のb(b÷a)を表します。
それに伴い、分数の時には不要だったカッコを付けるときがあります。

累乗
同じ数を何回か繰り返して掛けた数、例えば、2×2×2×2 を24と書き、2の4乗と読む。
このような表し方を累乗といい、24の2を底、4を指数という。

<問題1> 次の計算をせよ。
(1) 23×22=(2×2×2)×(2×2)=8×4=32 (2) −24=-(2×2×2×2)=−16
(3) (-2)4=(-2)×(-2)×(-2)×(-2)=16 (4) (32)3=(3×3)3=(3×3)×(3×3)×(3×3)=9×9×9=729

一般に次のような性質があります。
 am×an=am+n
 am÷an=am-n
 (am)n=am×n


0乗と負の指数

2の 3乗・・・23=( 8 )
2の 2乗・・・22=( 4 ) ( 1/2 )倍になっている
2の 1乗・・・21=( 2 ) ( 1/2 )倍になっている
2の 0乗・・・20=( 1 )
2の -1乗・・・2-1=( 1/2 )
2の -2乗・・・2-2=( 1/4 )

つまり、2の0乗は( 1 )、2の-2乗は( 1/4 )である。

一般に次のような性質があります。ただしa>0
 a-m=1/am

<問題2> 次の計算をせよ。
(1) 4-2=1/42=1/16 (2) 35×3-2=35-2=33=27 (3) 105×10-2=105-2=103=1000
(4) 28×2-6=28-6=22=4 (5) 52÷5-2=52-(-2)=54
(6) (-3)2×(-4)3=(-3)×(-3)×(-4)×(-4)×(-4)=-576

素因数分解の累乗表現
128を素因数分解すると、128=2×2×2×2×2×2×2 となり、書くのが大変である。
累乗の形を用いると、128=27 と表せて、便利である。

<問題3> 次の数を素因数分解し、累乗の形で表せ。
 (1) 96=25×3 (2) 360=23×32×5 (3) 1500=22×3×53


割合
(例題1)
 ある職場で、製品を200個作った中で、18個の不良が見つかった。
不良の全体に占める割合(不良率)はいくらか。
(解答)
 18÷200=0.09 答え 0.09

上の例題の答え方として、0.01 を1単位とする%(パーセント)という単位を用いて表すのが一般的である。
つまり、上の例題の答えは( 9 )%と書くこともできる。

割合の求め方
(割合) =(割合を求める量)÷(全 体 の 量)
(全体の量) =(割合を求める量)÷( 割   合 )
(割合を求める量)=(全 体 の 量)×( 割   合 )

<問題4>
(1) 水100gに食塩3gを溶かした食塩水の濃度を求めよ(%の小数第2位を四捨五入)。
(解答)
 3÷(100+3)=0.0291・・・ 答え 2.9%


(2) ある事業所では、全従業員数1500人のうち、メガネを必要とする従業員の数は630人であるという。
 メガネを必要とする従業員の割合は、全体の何%か。
(解答)
 630÷1500=0.42  答え 42%


(3) ある製品をディスカウントショップで購入したら、25%引きで15000円であった。この製品の定価はいくらか。
(解答)
 15000÷0.75=20000  答え 20000円


(4) 濃度が3.5%の食塩水が280グラムある。この食塩水に含まれる食塩は何グラムか。
(解答)
 280×0.035=9.8  答え 9.8グラム


比例式
aに対するbの割合が、xに対するyの割合に等しいとき
 a:b=x:y
と書く。これを比例式というが、比例式は、a/b=x/y と書くのが今後役に立つ表し方である。

(例題2)
ある紙の重さをはかったら、200枚で50gであった。この紙950枚の重さを□gとするとき、比例式を作れ。
またそれを分数の式で表せ。
(解答)
 200:50=950:□  (または 200:950=50:□)
 200/50=950/□  (または 200/950=50/□)


比例式 a:b=x:y は、b×x=a×y という性質がある。

(例題3)例題2の比例式をかけ算の形で表せ。また、□の値を求める方法を考えよ。
(解答)
 200×□=950×50
 200×□=47500
 □=47500÷200
  =237.5


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