今回の目標 ・素数の意味を理解すること。 ・素因数分解ができること。 ・素因数分解を用いて、約数を求められること。 |
素数
(例題)次の数の約数を求めよ。
1. | (1) 1 ・・・( 1 ) (2) 3 ・・・( 1, 3 ) (3) 6 ・・・( 1, 2, 3, 6 ) (4) 7 ・・・( 1, 7 ) |
2. 約数が1とその数自身の2つである数を
素数 というが、1.の中で素数はどれか。
( 3, 7 )
<問題1>30以下の素数をすべてあげよ。
( 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29 )
素因数分解
1以外の素数でない数は、2つ以上の素数の掛け算の形で表すことができる。
(例) 30=2×3×5 24=2×2×2×3 28=2×2×7
このように素数でない数を素数の掛け算の形で表すことを、
素因数分解 という。
(例題)次の数を素因数分解せよ
(1) 12=2×2×3
(2) 54=2×3×3×3
(3) 64=2×2×2×2×2×2
素因数分解は次のように計算するとよい。
60の素因数分解 | 36の素因数分解 | ||
2)60 | 2)36 | ||
2)30 | 2)18 | ||
3)15 | 3) 9 | ||
5 | 3 | ||
60=2×2×3×5 | 36=2×2×3×3 | ||
(素数になるまで割る) |
<問題2> 次の数を素因数分解せよ
(1) | 2)90 | (2) | 2)166 | (3) | 2)144 | (4) | 2)120 |
3)45 | 83 | 2) 72 | 2) 60 | ||||
3)15 | 2) 36 | 2) 30 | |||||
5 | 2) 18 | 3) 15 | |||||
3) 9 | 5 | ||||||
3 | |||||||
90=2×3×3×5 | 166=2×83 | 144=2×2×2×2×3×3 | 120=2×2×2×3×5 |
素因数分解と約数
60 の約数は、小さい方から、( 1 ),( 2 ),(
3 ),( 4 ),( 5 ),( 6 ),( 10 ),( 12 ),( 15 ),(
20 ),( 30 ),( 60 )である。
一方、60 を、2つの掛け算の形で表すと、
60 = 1 × ( 60 ) | 60 = 2 × ( 30 ) | |
60 = 3 × ( 20 ) | 60 = 4 × ( 15 ) | |
60 = 5 × ( 12 ) | 60 = 6 × ( 10 ) |
のようになるが、ここで、掛けられる数(被乗数)、掛ける数(乗数)いずれも
60 の (約数)になっていることがわかる。
さらに、上の式の被乗数、乗数を素因数分解してみると、
60 = 1 × ( 60 ) = 1 × ( 2×2×3×5 )
60 = 2 × ( 30 ) = 2 × ( 2×3×5 )
60 = 3 × ( 20 ) = 3 × ( 2×2×5 )
60 = 4 × ( 15 ) = ( 2×2 ) × ( 3×5 )
60 = 5 × ( 12 ) = 5 × ( 2×2×3 )
60 = 6 × ( 10 ) = ( 2×3 ) × ( 2×5 )
のようになる。これらの式は、(1 が含まれている式は例外として)いずれも
60 を(素因数分解)した式になっている。
結局、60 の 1 以外の約数は、60 を素因数分解した、(
2 ),( 2 ),( 3 ),( 5 ) の中からいくつか取り出して、かけた数で
あることがわかる。
逆に、( 2 ),( 2 ),( 3 ),( 5 ) の組み合わせでできる数をすべて調べれば、60
の約数をすべて挙げたことになる。その組み合わせの求め方の一例を次に示す。
2をいくつ使うか | 3をいくつ使うか | 5をいくつ使うか | 結果 | |
1 | 使わない (何も掛けない) |
使わない (何も掛けない) |
使わない | 1 |
1つ使う(×5) | 5 | |||
1つ使う (3を掛ける) |
使わない | 3 | ||
1つ使う(×5) | 15 | |||
1つ使う (2を掛ける) |
使わない (何も掛けない) |
使わない | ( 2 ) | |
1つ使う(×5) | ( 10 ) | |||
1つ使う (3を掛ける) |
使わない | ( 6 ) | ||
1つ使う(×5) | ( 30 ) | |||
2つ使う (4を掛ける) |
使わない (何も掛けない) |
使わない | ( 4 ) | |
1つ使う(×5) | ( 20 ) | |||
1つ使う (3を掛ける) |
使わない | ( 12 ) | ||
1つ使う(×5) | ( 60 ) |
<問題3> 150 の約数をすべて求めなさい。
(解答) 150 を素因数分解すると 150=2×3×5×5
2をいくつ使うか | 3をいくつ使うか | 5をいくつ使うか | 結果 | |
1 | 使わない (何も掛けない) |
使わない (何も掛けない) |
使わない | 1 |
1つ使う(×5) | 5 | |||
2つ使う(×25) | 25 | |||
1つ使う (3を掛ける) |
使わない | 3 | ||
1つ使う(×5) | 15 | |||
2つ使う(×25) | 75 | |||
1つ使う (2を掛ける) |
使わない (何も掛けない) |
使わない | 2 | |
1つ使う(×5) | 10 | |||
2つ使う(×25) | 50 | |||
1つ使う (3を掛ける) |
使わない | 6 | ||
1つ使う(×5) | 30 | |||
2つ使う(×25) | 150 |
答え 1, 2, 3, 5, 6, 10, 15, 25, 30, 50,
75, 150
<問題4> 360 の約数はいくつありますか。
(解答) 360を素因数分解すると、
360=2×2×2×3×3×5
よって、2,2,2,3,3,5 の6つの数字からいくつかを選んで掛け合わせれば、
360 の約数になる。(数字を選ばない場合として
1 がある)
2 の選び方として、(使わない)(1つ使う)(2つ使う)(3つ使う)の4通り
3 の選び方として、(使わない)(1つ使う)(2つ使う)の3通り、
5 の選び方として、(使わない)(1つ使う)の2通り
全部で、
4×3×2=24
答え 24個
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