足し算と掛け算

四則演算(+−×÷)の混ざった計算では、掛け算・割り算を足し算・引き算より
優先して計算します。
その理由を考察してみました。(独断です)

1.その方が実際上便利だとする考え方。
 例えば、30円のミカン3個と50円のリンゴ2個の合計金額、といった場合のように、
掛け算をしてその結果を足すという計算が実際に多く、掛け算を先にした方が合理的
であること。 逆に、30×3+50×2 を単純に左から計算するような、つまり、30に3を
掛け、それに50を足して、その合計を2倍するような計算は少ない。

2.掛け算の方が足し算より上位の計算法だとする考え方
 掛け算は、同じ数をいくつか足したものというのが根本の考え方(小数や分数はその応
用)です。
 例えば、2+2+3+2+3+3+2 という式を 2が4個と3が3個と見て、2×4、3×3
という固まりにして2×4+3×3と書く方法です。ここで、2×4、3×3は一つの「固まり」
なので、カッコをつけなくても先に計算しようとする考えです。逆はそうはいきませんね。
 ちなみに、2×2×3×2×3×3×2=24×33のように掛け算の上位の計算として累乗
(べき乗)というものがあります。

3.文字計算の準備段階とする考え方
 実は、このような四則演算の計算順序を明確に意識するのは、小学校高学年の間だけで、
中学で、文字の計算をするようになると、2×a は 2a と書き、2÷a は 2/a(分数)と書く
ように、掛け算・割り算をひとかたまりにして表記することが大前提となります(これとて理由付
けを求めることはできますが、上記2.のような考えが有力でしょう)。よって、この表記法に概
念を合わせるために掛け算・割り算を先にすることを身につけることが必要になったという考え
方です。

1.は一種のこじつけ、3.は2.の延長と考えると、2.がもっともらしい理由と考えますが、いかがでしょう?

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