TANEさんからの質問4
3問あります。
問題1:
初項から第n項までの和Snが、Sn=n3 である数列{an}の一般項を求めよ。
解答1−1:
一般に、数列の和がわかっているときは、
a1=S1 ・・・(1)
ak=Sk−Sk-1 (k=2,3,4・・・)・・・(2)
が成り立つ。(第4項までの和S4から、第3項までの和S3を引くと、第4項a4 だけが残るという理屈)
(2) より、
ak=k3−(k−1)3=3k2−3k+1
これは、(1) も満たすので、一般に
an=3n2−3n+1
である。
解答1−2:
一般に、
一般項が1次式ならば、数列の和は2次式
一般項が2次式ならば、数列の和は3次式
ような関係があることを知った上で、
an=6pn2+2qn+r
とおく。(※pn2+qn+r でも良いが、分数になることを嫌ってこうした)
第n項までの和Sn は、
Sn=pn(n+1)(2n+1)+qn(n+1)+rn
=2pn3+(3p+q)n2+(p+q+r)n
=n3
これが、nについての恒等式になるので、
2p=1、3p+q=0、p+q+r=0
これを解いて、
p=0.5、q=-1.5、r=1
よって、求める数列の一般項は
an=3n2−3n+1・・・答え
問題2:
次の条件によって定まる数列{an}と{bn}の第4項を、それぞれ求めよ。
a1=1, b1=0, ak+1=ak+bk, bk+1=2bk+1
解答2−1:
これの問題は、一般項を求めるのではなく「第4項」がわかればいいので、
漸化式に従い、順々に求めていく。
漸化式を順々に使うと、
a1=1
b1=0
a2=a1+b1=1+0=1
b2=2・0+1=1
a3=a2+b2=1+1=2
b3=2・1+1=3
a4=a3+b3=2+3=5
b4=2・3+1=7
よって、
a4=5,b4=7
解答2−2:
では、実際に一般解を求めると、以下のようになる。
bk+1=2bk+1
は、
bk+1+1=2(bk+1)
と書ける。ここで、数列cn を
cn=bn+1
と定義すると、
c1=b1+1=1
cn+1=2cn
より、数列cn は、初項1、公比2の等比数列となり、一般項は
cn=2n-1
よって、
bn=cn−1=2n-1−1 ・・・(1)
また、
ak+1=ak+bk
は
ak+1−ak=bk
と表せ、数列bn は、数列an の階差数列である。このとき、
an=a1+ | n-1 Σbk=1+ k=1 |
n-1 Σ(2k-1−1) k=1 |
||
=1+(2n-1−1)−(n−1) =2n-1−n+1 ・・・(2) |
(1),(2) において、n=4とおくと、
a4=23−4+1=8−4+1=5
b4=23−1=8−1=7
問題3:
次の条件によって定まる数列{an}の一般項を求めよ。
a1=3, an+1=an+2n 〈n=1,2,3、・・・・・・)
解答3:
数列an の階差数列をbn とする。つまり、
bn=an+1−an
このとき、数列an は | ||||
an=a1+ | n-1 Σbk k=1 |
|||
と表せる。 |
a1=3 および | ||
n-1 Σbk= k=1 |
n-1 Σ2k=2n−2 ※等比数列の和の公式は、こちらを参照のこと。 k=1 |
|
より、 an=2n+1 これは、a1=3 を満たすので、一般に、 an=2n+1 ・・・答え |
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