TANEさんからの質問3

問題:等比数列{an}の
   初項から第3項までの和が3、
   第2項から第4項までの和が−6であるとき、
   初項a1と公比rを求めよ。

解答1
 まずは、公式に当てはめてみるやり方です。

 等比数列(初項a1、公比r)の初項から第n項までの和を Sn とするとき
  Sn=na1             (r=1 のとき)
  Sn=(rn−1)a1/(r−1)    (r≠1 のとき)
 これが、等比数列の和の公式です。
注目:第m項から第n項(1<m<n)までの和は Sn−Sm-1 と書けます。
   例えば、第4項から第6項の和(a4+a5+a6)は、
   初項から第6項までの和(a1+a2+a3+a4+a5+a6)から
   初項から第3項までの和(a1+a2+a3) を引けばいいという意味です。
また、1=a1 です。

 さて、この問題の場合、公比rが1だと、初項から第3項までの和も、第2項から第4項までの和も
同じになるはずですから、r≠1 としていいでしょう。
 初項から第3項までの和を P、第2項から第4項までの和を Q とすると、
  P=S3=(r3−1)a1/(r−1)=(r2+r+1)a1
  Q=S4−S1=(r4−1)a1/(r−1)−a1=(r3+r2+r+1)a1−a1
   =(r3+r2+r)a1=rP
 ここで、P=3、Q=−6 より、r=−2 となります。
 これを P=(r2+r+1)a1 に代入して、
  3=3a1
  よって、初項a1は、a1=1
 答え:初項 1、公比 −2

解答2
 特に公式を使わないやり方です。
 初項から第3項までの和を P、第2項から第4項までの和を Q とするとき、
 それぞれの項を比較すると、
  a1 →r倍→ a2
  a2 →r倍→ a3
  a3 →r倍→ a4
 のように、Qの各項は、Pの各項のそれぞれr倍になっているので、その和のQも、
Pのr倍ということになります。
 ここで、P=3、Q=−6 より、r=−2 となります。
 さらに、Pの各項を調べると、
  a1・・・a1 の 1倍
  a2・・・a1 の−2倍
  a3・・・a2 の−2倍・・・a1 の 4倍
 つまりP(=a1+a2+a3)は、a1 の (1−2+4=)3倍となります。
 P=3 ですから、a1=P÷3=1 となります。
 答え:初項 1、公比 −2

このことから、等比数列{an}に対し、
 bn=an+an+1+・・・+an+t (tは自然数の定数)
 bn=an+an+2+・・・+an+2t (tは自然数の定数)
 bn=a2n+a2n+1+・・・+a2n+t (tは自然数の定数)
なども、等比数列になることがわかります。

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