生鯖さんからの質問1

質問
86245159が11の倍数である事を証明しなさい。と言う問題があり答えは各位のうち右から奇数番目の数の和と右から偶数番めにある数の和が等しい場合11の倍数になるらしいっすけど何故ナンすか?


回答

 86245159
のように、各位の数を交互に2グループに分けて足します。
 8+2+5+5=20
 6+4+1+9=20
この2数の差が11の倍数であれば、元の数も11の倍数になります。
 20-20=0
0も11の0倍ということで11の倍数です。

では、何故これでいいかというと、ある正の整数
 ABCDEF
があるとします。文字は各位の数を表します。この数は、
 A×100000+B×10000+C×1000+D×100+E×10+F
と表せます。さらに変形すると、
 A×(100001-1)+B×(9999+1)+C×(1001-1)+D×(99+1)+E×(11-1)+F
=A×100001+B×9999+C×1001+D×99+E×11+(B+D+F)−(A+C+E)
=11×(A×9091+B×909+C×91+D×9+E)+(B+D+F)−(A+C+E)

となります。つまり、
  (B+D+F)−(A+C+E)
が、11の倍数であれば、元の数 ABCDEF は11の倍数ということになります。

では、
 10+1,100-1,1000+1,10000-1,100000+1,・・・
が11で割り切れることは、一般的に(ずっと大きな桁でも)いえるでしょうか?
これを証明するために、因数定理という定理を使います。

因数定理
 χについての整式f(χ)において、f(a)=0 ならば、f(χ) は χ−a で割り切れる

f(χ)=χn−1 (nは0以上の整数) とおくと、
nが偶数のとき f(-1)=0 なので、f(χ) は χ+1 で割り切れます。
ここで χ=10 とおくと、 10n−1 (nは偶数) は 11で割り切れます。
つまり、100-1,10000-1,1000000-1 などが 11 で割り切れます。

f(χ)=χn+1 (nは0以上の整数) とおくと、
nが奇数のとき f(-1)=0 なので、f(χ) は χ+1 で割り切れます。
ここで χ=10 とおくと、 10n+1 (nは奇数) は 11で割り切れます。
つまり、10+1,1000+1,100000+1 などが 11 で割り切れます。

以上より、この11の倍数の見分け方が一般に有効であることがわかります。


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