弧度法の基礎
通常、直角を 90°と言ったり、三角形の内角の和は
180°であると
言ったりする場合の角度の単位 (°) は、一周を
360°として決められた
ものです。
360 という数は、約数が多いとか、1年365日に近いので、天体や暦に便利とか
それなりの長所はありました。
一方、それとは別の角度の単位(rad:ラジアン)というものが定義されました。
半径 r の円から、弧の長さが半径と同じ r
になる扇形を考えます。
このときの中心角を 1rad(ラジアン)と決めます。(日本語では1弧度といいます)
すると、半円の弧の長さはπr ですから、このときの弧の長さは1rad
のときの
π倍になっています。中心角と弧の長さは比例しますから、ここで、
180°=π rad
という関係があることが分かります。
ちなみに、1rad は約 57.295…° ですが、このことはさして重要でなく、
180°=π rad
であることが、もっとも覚えておかなければならない、度とrad
の換算式です。
以後、rad という単位は省略して、角度に何も単位がついていなければ
rad
であるという、暗黙の了解があります。
このような角度の表し方を弧度法といいます。
さて、弧度法を使うことにより何が変わるかというと、例えば、扇形の弧の長さや
面積を求める式が以下のように変わります。
半径 r 、中心角d°=θ rad の扇形について、
六十分法 | 弧度法 | |
弧の長さ | 2πr×d/360 =πrd/180 |
2πr×θ/2π =rθ |
面積 | πr2×d/360 =πr2d/360 |
πr2×θ/2π =r2θ/2 |
公式からπの文字が消え簡単になりました。
特に弧の長さを rθ だけで表せるのは、非常に便利ですし、
今後、三角関数や微分・積分を勉強するに当たっても、重要な角度の表し方
になってきます。
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