無知な大学受験生さんからの質問1

問題
問1.
放物線 C:y=x2に点Pから2本の接線、L、Mを引く時、C,L,Mで囲まれる図形の面積が常に18となるような点Pの軌跡を求めよ。

問2.
曲線y=x4−2x2+x上のある点における接線Gが曲線上の他の点で再び接している。
(1) 2つの接点の座標、及び接線Gの方程式を求めよ。
(2) 曲線と接線Gとで囲まれた図形の面積を求めよ。

問3.
2つの曲線y=x(x−1)2、y=kx2 (k>0)について、次の問に答えよ。
(1) この2つの曲線は相異なる3点で交わることを示せ。
(2) この2曲線で囲まれる2つの図形の面積が等しくなるような k の値を求めよ。

解答

問1.
放物線 C:y=x2 上の異なる2点(a, a2), (b, b2) (a<b) における接線は
それぞれ傾きが 2a、2b なので、接線の式は、
  y=2a(x−a)+a2=2ax−a2
  y=2bx−b2
これらの交点は、連立方程式を解いて、((a+b)/2, ab)
2接線と放物線で囲まれる部分の面積は

(積分の途中の式は省略)
つまり、この問題は
 (b−a)3/12=18 (a<b)
の条件下で、点((a+b)/2, ab) の軌跡を求めよ、という問題に置き換えられる。
 (b−a)3/12=18 および、a、b が実数であることより、
  b−a=6 つまり、 b=a+6
 x=(a+b)/2、y=ab に代入して
  x=a+3、y=a2+6a
 a を消去して、
  y=(x−3)2+6(x−3)
  y=x2−9・・・答え
問2.
(1)
 接線Gがy軸に平行であることはあり得ないので、接線Gの式を
  y=mx+n (m、nは実数)
  とおく。
 曲線y=x4−2x2+x と、接線Gの位置関係は右図のようになっているはずであるが、
これは、両式を連立させた
 x4−2x2+x=mx+n ………(1)
が、2組の重解を持つことを示している。つまり、(1) が
 (x−α)2(x−β)2=0 ………(2)
の形に書けるということである。
(※一般には a(x−α)2(x−β)2=0 と置くべきですが a=1 は自明なので省略)
(2) を展開して
 x4−2(α+β)x3+(α2+4αβ+β2)x2−2αβ(α+β)x+α2β2=0
(1) を移項した
 x4−2x2+(1−m)x−n=0
と係数を比較して
 α+β=0
 α2+4αβ+β2=−2
 −2αβ(α+β)=1−m
 α2β2=−n
α<β として、これらを解くと、
 m=1、n=−1、α=−1、β=1
接線Gの方程式は y=x−1・・・答え(1)

(2)
 求める面積は

問3.
(1)
 y=x(x−1)2 と y=kx2 を連立させて、
  x(x−1)2=kx2
 移項して整理すると
  x{x2−(k+2)x+1}=0
 これより、この方程式のxの解は、1つは x=0 であり、あと2つは
  x2−(k+2)x+1=0
 の解である。これを解いて、
  
 ここで、k>0 より、k2+4k>0 であるので、
  
 は、異なる2実解である。
 k+2+√(k2+4k) >0 は自明であり、また、
  k+2=√(k2+4k+4)>√(k2+4k)
 より、k+2−√(k2+4k) >0
 以上より、y=x(x−1)2 と y=kx2 は異なる3個の実解を持ち、
グラフは、相異なる3点で交わる。

(2)
 α={k+2−√(k2+4k)}/2
 β={k+2+√(k2+4k)}/2
と置く。
図の、2つの図形の面積が等しくなるには、
 x(x−1)2 −kx2 を 0 から β まで積分して0になればよい。
 
 β2{3β2−4(k+2)β+6}/12=0
β2>0 より、
 3β2−4(k+2)β+6=0
βは x2−(k+2)x+1=0 の解なので、
 β2−(k+2)β+1=0
より、
 β2=(k+2)β−1
を代入して、
 3{(k+2)β−1}−4(k+2)β+6=0
 (k+2)β=3
m=k+2 (>2) とおくと、
 β={m+√(m2−4)}/2
より、
 m{m+√(m2−4)}/2=3
 m2+m√(m2−4)=6
 m√(m2−4)=6−m2
両辺2乗して
 m2(m2−4)=(6−m2)2
 m4−4m2=m4−12m2+36
 8m2=36
 m=3/√2
よって、
 k=3/√2−2=(3√2−4)/2
(2)の別解  ごろーさんより
(α、βの値は上と同じです)
 y=x(x−1)2 と y=kx2 を連立させた
  x3−(k+2)x2+x=0
 において、
  f(x)=x3−(k+2)x2+x
 とおくと、3次曲線の変曲点に関する対称性から
  f’’(α)=0
 つまり、x=αの位置が、変曲点になれば、右図のように2つの図形の面積は
ちょうど等しくなる。
  f’(x)=3x2−2(k+2)x+1
  f’’(x)=6x−2(k+2)
より、
  f’’(α)=3{k+2−√(k2+4k)}−2(k+2)=0
  k+2=3√(k2+4k)
2乗して
  k2+4k+4=9(k2+4k)
  8k2+32k−4=0
  2k2+8k−1=0
これを k>0 で解くと
  k=(−4+3√2)/2

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