まりらりらさんからの質問
問題
9cm,12cm,15cmが辺である直角三角形があります。
その三角形の内部を辺にそって、半径1cmの円が動きます。
その時に、円の中心が動いた距離と、円が通った面積を求めなさい。
解答
円の中心が動いた部分は、図のような、直角三角形(内側)になります。
この直角三角形の3つの頂点から、外側の直角三角形に垂線を引いて、
図の黄色い部分を切り取って、つなげると、右のような直角三角形になります。
この時点では、辺の長さは分かっていません。
この黄色い三角形は、もとの直角三角形と相似なので、仮に、3cm:4cm:5cm とします。
この三角形にぴったり収まる(内接すると言います)円の半径を求めます。
三角形ABCは、3cm、4cm、5cmの直角三角形で、これに内接する円の中心をOとします。
三角形ABCの面積はBCを底辺、ACを高さとして、
4×3÷2=6
です。一方、この三角形を、ABO,BCO,ACO に分けて、面積を求めると、
三角形ABO: 5×半径÷2
三角形BCO: 4×半径÷2
三角形ACO: 3×半径÷2 ※半径とは、内接円の半径です。
となり、3つ足すと、
(5+4+3)×半径÷2=12×半径÷2
となります。これが、6に等しいので、半径は1となります。
ここで、3:4:5 の直角三角形に内接する円の半径は、1であることが分かりました。
上の黄色い三角形の内部に書かれた円は、左の大きい三角形の内部を動く円と同じ大きさなので、
半径は1です。
ここで、先ほど、黄色い三角形の辺の長さを、仮に、3cm:4cm:5cm と決めたのが、本当に、
3cm:4cm:5cm であったことが分かります。
※もし、問題の円が、1cmではなかったら、その大きさに従って、3cm:4cm:5cm
を、
何倍かするだけです。
例えば、半径2cmなら、6cm:8cm10cm のように。
さて、黄色い三角形の辺の長さが、決まりましたので、円の中心が動いた部分の直角三角形(内側)
の辺の長さは、
9−3=6
12−4=8
15−5=10
となります。
※厳密に計算すると、下のような長さになるので、
9−(2+1)=6
12−(1+3)=8
15−(2+3)=10
となりますが、ここまで書く必要もないでしょう。
よって、円の中心が動いた部分の長さは、
6+8+10=24(cm) ・・・答え1
となります。
さて、下の黄色の部分は、円が通らなかった部分です。
内側の小さい三角形は、半径2cmの円が動いたときの、中心の動いた部分と同じですから、
先ほどと同じように考えて、小さい三角形の辺の長さは
9−6=3
12−8=4
15−10=5
となります。
(参考図)
また、3つの頂点に出来ている空白部分は、3:4:5 の直角三角形(一番上の黄色い三角形)から、
半径1の円を除いた部分ですから、
円の通らなかった部分の面積は
中央の小さい三角形:4×3÷2=6
3つの角の空白の合計:6−3.14=2.86
これらを、もとの三角形から引いて、
12×9÷2=54 ・・・9:12:15の三角形の面積
54−6−2.86=45.14(cm2) ・・・答え2
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