まりさんからの質問3
問題
(1) f(x)=log(1-x2) をマクローリン展開せよ。
(2) (1) のf(x)で、対数微分法によってf'(x)を求めよ。
(3) F(x)=x2log(1+x) において
f(x)=x2, g(x)=log(1+x) として、Leibnizの公式を使うことにより F(n)(x)を求めよ。
解答
(2)
普通にf(x) を微分すると
f'(x)=(1-x2)’/(1-x2)=-2x/(1-x2)
となりますが、
f(x)=log(1+x)(1-x)=log(1+x)+log(1-x)
であることを利用すると、
f'(x)=1/(1+x) − 1/(1-x)
となります。
(1) このことを利用すると、
f"(x)=-1/(1+x)2 − 1/(1-x)2
f(3)(x)=2/(1+x)3 − 2/(1-x)3
・・・・・・
f(n)(x)=(-1)n-1(n-1)!/(1+x)n − (n-1)!/(1-x)n
よって、
f(0)=0, f'(0)=0, f"(0)=-2, f(3)(0)=0, f(4)(0)=-12, ・・・
となり、自然数nについて、
nが奇数のとき f(n)(0)=0
nが偶数のとき f(n)(0)=-2・(n-1)!
マクローリン展開の公式より
f(x)=f(0)+f'(0)x+f"(0)x2/2!+・・・・+f(n)(0)xn/n!+・・・
=Σk=1〜∞f(2k)(0)x2k/(2k)!
=−2Σk=1〜∞(2k-1)!x2k/(2k)!
=−2Σk=1〜∞x2k/2k
(3)
Leibnizの公式より、
F(n)(x)=Σr=0〜n nCr・f(n-r)(x)g(r)(x)
f'(x)=2x, f"(x)=2 で3階以上の微分は f(r)(x)=0 であるので、
F'(x)=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)=2xlog(1+x)+x2/(1+x)
F"(x)=f"(x)g(x)+2f'(x)g'(x)+f(x)g"(x)=2log(1+x)+4x/(1+x)−x2/(1+x)2
n≧3 である自然数nに対して
F(n)(x)=nC2・f"(x)g(n-2)(x)+nC1・f'(x)g(n-1)(x)+nC0・f(x)g(n)(x)
ここで、
g'(x)=1/(1+x), g"(x)=-1/(1+x)2, g(3)(x)=2/(1+x)3, ・・・ , g(n)(x)=(-1)n-1(n-1)!/(1+x)n
より、
F(n)(x)=(-1)n-1(n-3)!(2x2+2nx+n2−n)/(1+x)n
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