高校2年さんからの質問1

問題 以下の方程式を解け。
(1) sinx−√3cosx=0
(2) cosx−sinx=1/√2

解答
いずれの問題も、公式
 asinθ+bcosθ=√(a2+b2)sin(θ+α)
 ただし sinα=b/√(a2+b2)、cosα=a/√(a2+b2)
によって、解けるのですが、この公式の本質を知っていないと使えないので、
ここでは、もう1段階さかのぼって、加法定理
 sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
による方法を使います。
もっとも、asinθ+bcosθ=√(a2+b2)sin(θ+α) の公式も、加法定理から
作られた公式ですので、以下の方法を十分理解できれば、この公式も使えるように
なると思います。

(1) sinx−√3cosx が sinxcosα+cosxsinα に近い形にならないかと考えます。
 sinx と cosx の係数がそれぞれ、1,−√3 であることより、
  1:−√3=cosα:sinα
 のように、係数の比が等しくなるような cosα、sinα を見つけます。
 その一つとして
  cos(-π/6)=1/2、sin(-π/6)=−√3/2
 を得ます。α=-π/6として
 sinx−√3cosx と sinxcosα+cosxsinα を比較すると、
  sinxcosα+cosxsinα=sinxcos(-π/6)+cosxsin(-π/6)=(sinx)/2−(√3cosx)/2
 なので、sinx−√3cosx は sinxcos(-π/6)+cosxsin(-π/6) の2倍になっています。つまり、
  sinx−√3cosx=2{sinxcos(-π/6)+cosxsin(-π/6)}
 と書けます。
    ※係数比が等しい cosα、sinαをみつけ、あとは式全体を何倍かしてつじつまを合わす
 よって、加法定理より、
  sinxcos(-π/6)+cosxsin(-π/6)=sin(x-π/6)
 となりますから、
  sinx−√3cosx=2sin(x-π/6)=0
 よって、
  x-π/6=nπ (nは整数)
  x=nπ+π/6 (nは整数)
  ※ 0≦x<2π の範囲では x=π/6、7π/6

(2) 同様にして
  cosx−sinx=√2{sinxcos(3π/4)+cosxsin(3π/4)}
 を得ます。
 加法定理より、
  sinxcos(3π/4)+cosxsin(3π/4)=sin(x+3π/4)
 よって、
  cosx−sinx=√2sin(x+3π/4)=1/√2
  sin(x+3π/4)=1/2
 よって、
  x+3π/4=π/6+2nπ、5π/6+2nπ (nは整数)
  x=2nπ−7π/12、2nπ+π/12 (nは整数)
  ※ 0≦x<2π の範囲では x=π/12、17π/12

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