4章 ベクトル 2節 ベクトルの応用
※太字の英文字(AB や a)はベクトル()を表します。
位置ベクトル
2点A,B の位置ベクトルをそれぞれ a,b とすれば、 AB=b−a すなわち、ベクトル AB は A と B の位置ベクトルの差の形に表される。 |
原点を基準の点とすれば、Pの座標はそのままPの位置ベクトルの成分表示と考えてよい。 |
2点A(a),B(b) を結ぶ線分ABを m:n に内分する点Cの位置ベクトル
c は c=(mb+na)/(m+n) 特に、線分ABの中点の位置ベクトルは、(a+b)/2 である。 2点A(a),B(b) を結ぶ線分ABを m:n (m≠n)に外分する点Dの位置ベクトル d は d=(mb−na)/(m−n) 3点A(a),B(b),C(c) において、△ABCの重心の位置ベクトルは (a+b+c)/3 |
直線とベクトル 定点Po(p)を通り、ベクトル u に平行な直線 l 上の動点Pの位置ベクトル x は x=p+tu (t は実数) と書ける。これを、直線 l のベクトル方程式といい、u を直線 l の方向を示すベクトル、t を媒介変数という。 2点A(a),B(b) を通る直線 l のベクトル方程式は、l 上の動点Pの位置ベクトルを x として次のように表される。 x=a+t(b−a) 相異なる3点A(a),B(b),C(c)が1直線上にあるための必要十分条件は c=ma+nb, m+n=1 を満たす実数m,nが存在することである。 定点Po(xo,yo) を通り、方向を示すベクトルを u=(a,b) とする直線 l において、 l 上の任意の点Pの座標を(x,y) とすれば、 x=xo+ta y=yo+tb と表される。これを、媒介変数 t による直線の方程式という。 |
力・速度とベクトル 力のベクトル 1点にはたらく力を表すのにベクトルを用いる。ベクトルの向きは力の向きとし、その大きさは力の大きさに比例するものとする。これを力のベクトルという。
1点にはたらく2つの力 f1,f2 がつり合うということは、次の等式で表される。 f1+f2=0 すなわち、その合力を表すベクトルが零ベクトルとなることである。 3つ以上の力のつり合いについても同様である。 |
速度ベクトル 運動している点Pに対し、各時刻において、速度ベクトルと呼ばれる1つのベクトル v が定まる。 v の向きは、時刻 t における点Pの進行方向であり、また v の大きさは、時刻 t における点Pの速さである。 |