Toshi さんからの質問8

問題
数列{An}は整数pを初項とし、公差3の等差数列、
数列{Bn}は整数3pを初項とし、公差1の等差数列である。
Sn=k=1〜n|Ak-Bk| をpの関数と考えて、その最小値をnを用いて表しなさい。

解答
条件より、
 An=3n+p-3
 Bn=n+3p-1
よって、
 Ak-Bk=2k-2p-2
Ak-Bk=0 となるのは、k=p+1 のとき。

1) p+1≦1 のとき、1≦k≦n の全範囲において、k≧p+1 なので
 |Ak-Bk|=Ak-Bk
よって、
 Sn=k=1〜n(Ak-Bk)=k=1〜n(2k-2p-2)
  =k=1〜n2k-k=1〜n(2p+2)
  =n(n+1)-n(2p+2)
  =-2np+n2-n

2) 1<p+1<n のとき
 1≦k≦p のとき |Ak-Bk|=Bk-Ak
 p+1≦k≦n のとき |Ak-Bk|=Ak-Bk
よって、
 Sn=k=1〜p(Bk-Ak)+k=p+1〜n(Ak-Bk)
  =k=1〜p(-2k+2p+2)+k=p+1〜n(2k-2p-2)
  =-p(p+1)+p(2p+2)+{0+2+4+・・・+(2n-2p-2)}
  =p(p+1) + 2{0+1+2+・・・+(n-p-1)}
  =p(p+1) + (n-p-1)(n-p)
  =2p2+2(1-n)p+n2-n
  2{p+(1-n)/2}2 + (n2-1)/2

3)n≦p+1 のとき、1≦k≦n の全範囲において、k≦p+1 なので
 |Ak-Bk|=Bk-Ak
よって、
 Sn=k=1〜n(Bk-Ak)=k=1〜n(-2k+2p+2)
  =-k=1〜n2k+k=1〜n(2p+2)
  =-n(n+1)+n(2p+2)
  =2np-n2+n

以上より、Sn と p の関係をグラフにすると、以下のようになる。

赤が直線、青が放物線です。
Sn の最小値は放物線の頂点付近にあることがわかります。
頂点は((n-1)/2, (n2-1)/2) です。
(n-1)/2 が整数の時は、頂点が最小の点となります。
(n-1)/2が整数でないときは、頂点に一番近い格子点が最小の点になります。

nが奇数の時 p=(n-1)/2 のとき Sn最小値 (n2-1)/2
nが偶数の時は、p=(n-1)/2+1/2 または p=(n-1)/2-1/2 つまり、
 p=n/2 または p=n/2-1 のとき Sn最小値 n2/2
(Sn = 2{p+(1-n)/2}2 + (n2-1)/2 に p=n/2 を代入して求めます。
 p=n/2-1 を代入しても同様)

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