ひろさんからの質問1
平方根っていったい何なの――――???
「2乗するもとの数」って何回も何回も先生は言ってくれるけど、
それがわからないの。
ルート9は3なのに、なんでルート7はルート7でしかないの???????
先生もあまりに私がわかんないから、困っちゃってるみたいだから、
かわいそうでもうきけないよ。 誰かわたしをすっきりさせて―――!
回答
こういう、モノの始まりの部分を説明するのは、実はすごく難しい。
どの辺から始めようかな。
数学の世界では、1とか4とか 0.5 とかのように、整数や小数でピッタリ表せない
数というのは、結構ある。そのトップバッターが分数だ。
1/2(2分の1)や 1/4(4分の1)のように、小数に直すことの出来る分数もあるが、
1/3 や 1/7 は無理だ。
実際に計算すると、
1/3=0.3333・・・・ 1/7=0.1428571428・・・・
となり、ピッタリした数にはならない。
ところが、1を3等分した数、7等分した数というのは、いろんな計算をする上で必要に
なってくる。そこで、使われるのが、1/3、1/7
といった表記方法だ。
ここで注意することは、1/3 はだいたい 0.33
くらいの数、1/7 は 0.14 くらいの数と
大きさの見当はつくし、他の数との大小の比較は出来る。
しかし、実際に重要なのは、1/7 が 0.142857・・・という数であるということより、
その数の意味だ。(簡単にいえば、1/7 は7倍すれば1になるということ)
ここで一休みして、頭を整理しよう。
整理できたところで問題だ。下のように対角線が2cmの正方形がある。この正方形の面積と、
1辺の長さを求めよ。
面積は、いろんな考え方があるが、一番オーソドックスなのは、この正方形をひし形とみなして、
(対角線)×(対角線)÷2 を使う方法だ。
つまり、面積は、2×2÷2=2cm2 だ。
では、1辺の長さはどうか?
もし、この正方形の面積が、4cm2だったなら、即座に2cmと答えられるだろう。2×2=4だからだ。
9cm2の場合も1辺は3cmということになる。3×3=9だからね。
ところが、面積が2cm2の時、1辺の長さはいくつになるのだろう?
1辺が1cmだと、面積は1cm2だ。これでは足りない。
では、1辺が2cmだと、面積は4cm2だ。どうやら、求める数は1と2の間にあるようだ。
見当を付けて、1.5cmだとどうだ? 1.5×1.5=2.25 ちょっと大きすぎか。
1.4cmだと? 1.4×1.4=1.96 今度は小さい。
こうして、どんどん絞り込んでいくと、1.41421・・・・という数に近いことがわかる。
ところが、どこまで行っても、ピッタリした数にはならない。
しかし、まぎれもなく2乗して2になる数は、1.41421・・・・あたりに存在する。
ここで、分数の時に使った、「ある大きさを持った、しかも、ある特定の意味を持つ数を、
特別の表記方法で約束する」という技を使う。
つまり、ピッタリとした数にはならないけれども、2乗すると2になる数、をと書こう
というわけだ。
そして、 が1.41421 に近い数だということは、実はあまり重要ではなく、2乗すれば
2になるという意味が重要だ。
ちなみに、1,4,9などはそれがたまたま整数の2乗になっているので、、
、
は、
それぞれ、1,2,3に一致するが、そういう数は、あまり多くない。
※ここでいう、「多い」とは感覚上のことで、数学的な理論で反論されても意味がない。
もっとも、や
を見て、即座に2や3に直せることは重要ではある。
そして、これは言葉上の問題で、かえってややこしいかも知れないが、
「4の平方根」というと「2乗して4になる数」という意味で、2と−2を指す。
一方「平方根4」というと、「4の平方根のうち、正(プラス)の方」という意味で、
つまり2を指す。つまり、
「2の平方根」とはと
のことで、「平方根2」といえば、
のことである。
さて、わかったようなわからないような説明であったが、少しは役に立っただろうか。
では、さらばだ。またアデュー。